伊藤 憲二 ・ 准教授 (046-858-1504,ito_kenji@soken.ac.jp)
 <科学技術史,科学技術論>
社会的文化的現象としての科学や技術、特に研究所と社会との相互作用を、歴史的質的手法を用いて研究している。現在の主要な関心は次の三つに分けることができる。第一に、日本における原子物理学の歴史的研究である。最近のノーベル賞に見られるように、日本の物理学は素粒子理論の分野で非常に成功したが、その理由を1920年代の量子力学の日本への移入から分析し、物理学の制度的・文化的背景の観点から解明したい。第二に、科学・技術分野の研究所における知識生産および、研究所と社会・地域との相互作用についての研究である。総研大の基盤機関である共同利用機関など、研究所の研究活動は、外界と隔絶した閉じた世界ではなく、社会の様々な部分と相互作用し、それがしばしば研究所の活動に重要な影響を及ぼし、社会的・倫理的問題を惹起する。このような事例をいくつか歴史的ないし社会論的に研究している。第三に、近代日本における科学観の歴史的研究、とくに日本の文化において科学や技術がどのような位置を占め、どのように描かれ、それがどのように時代背景と絡み合っていたかについて、とくにポピュラーカルチャーにおける科学と技術の表象を中心に研究している。