科学社会論特論掘焚奮愡貌地澄
担当:伊藤憲二
開講場所は変更の可能性がある。場所については担当者に問い合わせること。
開講時間:月曜3限
この授業の目的
この授業の目的は、「科学と社会」専攻の大学院生を対象とし、文献購読の基礎的なトレーニングをとくに科学史分野を中心にして行うことにある。文献を読解し、それについて批判的・分析的に論じるのは、人文社会系における必須な技能の一つである。
本専攻のカリキュラムは、一年次の演習が生命科学分野だけのものでしかないことに表れているように、生命系大学院生を主たる対象として作られているために、現時点では「科学と社会」分野における基礎演習的な授業が存在しない。そこで、このような人文社会系における基礎的技能を習得するための訓練を受ける機会に乏しく、十分な基礎能力を備えないまま、学位論文のための研究に入ってしまい、失敗する危険が極めて大きい。この授業はそのような問題点に対処しようとするものである。
前半は科学史の分野で広く読まれている文献を取り上げ、後半は、履修者の関心に合わせて特定分野に焦点をおく。
とくに今年度は、環境関係の科学史・科学論の文献を後半に配している。
Prerequisite
日本語と英語ができること。
なお、この授業は単位数としては一単位であるが、このような意図から、人文社会系の演習の代用を目指すものであり、履修者の負担はきわめて大きくなる。とくにリーディングは一週間で読み切れるとは限らない量なので、計画的に準備すること。
授業の形態
参加者全員が各々、指定された文献を見つけ、読み、討論に備えて参加するものとする。授業は文献についての討論を中心とする。
成績評価の方法
成績評価は討論への参加と討論の質に基づいて行う。
授業予定
1日目:古川安『科学の社会史』;広重徹『科学の社会史』
2日目:トーマス・クーン『科学革命の構造』(まず日本語訳を読み、次に原文で読むこと)
3日目:スティーブン・シェイピン『「科学革命」とは何だったのか―新しい歴史観の試み』;Steven Shapin and Simon Schaffer, Leviathan and the Air-Pump: Hobbes, Boyle, and the Experimental Life
4日目:キャロリン・マーチャント『自然の死』:Isisのマーチャント特集号
5日目:William Cronon, Nature's Metropolis
6日目:Gregg Mitman, Reel Nature: America’s Romance with Wildlife on Film
7日目:Michelle Murphy, Sick Building Syndrome and the Problem of Uncertainty
![]() 科学史特論(総研大・隔年) |