科学思想史III: 科学・技術と「イメージ」

担当:伊藤憲二(総合研究大学院大学・葉山高等研究センター准教授)

授業の目標・概要:
近年の科学技術史・科学技術論においては、さまざまな形で「イメージ」が取り扱われている。それは一方では文字通りの視覚的なイメージであり、他方では科学技術における、ないし科学技術についての、さまざまな形態でのメンタルなイメージとその表象についてのものであったりする。この授業においては、そのような「イメージ」に関する科学技術史・科学技術論に関して、そのための方法論的な基礎文献から、最近の研究まで、幅広い話題を扱う。
つまりこの授業では科学におけるイメージと科学(ないし科学者)のイメージの両者を扱う。一方で、視覚的表象についての科学論的・科学史的研究はかなりの蓄積があり、他方で、科学のイメージの問題は科学コミュニケーションの中心的な問題であったり、科学についての文化史・文化論的研究の重要課題であるので、それぞれ大量の研究がある。
この授業ではそれらを網羅することはしない。なるべくその両方にかかわるものを中心にするが、それに限定するわけでもない。必ずしも系統的に文献を選択するわけではないが、参加者にとって何らかの得るものがあると思われるものを選択する。


授業の形態
授業の形態は、セミナー形式とする。原則として、文献は参加者全員が読んでくるものとする。一応発表者を設けるが、発表者は、授業担当者と相談のうえ、シラバスに指定されているものとは別の文献を発表することができるものとする。


コースウェブサイト
http://sites.google.com/site/komabakagakushisoushiiii2008/

授業日程(暫定案)
1.イントロダクション

2.橋本毅彦「おわりに―科学技術の活動における図像の機能」『描かれた技術 科学のかたち―サイエンス・イコロジーの世界』(東京大学出版会、2008)、231-262.

3.Bruno Latour, "Drawing Things Together," pp. 19-68 in Michael Lynch and Steve Woolgar, eds., Representation in Scientific Practice (Cambridge, Mass.: The MIT Press, 1990).

4.Françse Bastide, "The Iconography of Scientific Texts: Principles of Analysis," pp. 187-230 in Michael Lynch and Steve Woolgar, eds., Representation in Scientific Practice (Cambridge, Mass.: The MIT Press, 1990).

5.Wolff-Michael Roth, G. Michael Bowen, and Domenico Masciotra, "From Thing to Sign and 'Natural Object': Toward a Genetic Phenomenology of Graph Interpretation," Science, Technology & Human Values 27 (2002);327-356.

6.Peter Galison, "Judgment against Objectivity," pp. 327-359 in Caroline A. Jones and Peter Galison, eds., Picturing Science Producing Arts, (New York: Routledge, 1998).

7.ポール・エドワーズ『クローズド・ワールド―コンピュータとアメリカの軍事戦略』(日本評論社、2003).とくに10章とエピローグ。

8.Stephen Hilgartner, "The Dominant View of Popularization: Conceptual Problems, Political Uses," Social Studies of Science 20 (1990): 519-539.

9.Margaret Mead and Rhoda Métraux, "The Image of the Scientist among High-School Students: A Pilot Study," in pp. 230-246, Hirsch ed., The Sociology of Science.

10.George Basalla, "Pop Science: The Depiction of Science in Popular Culture," pp. 261-278, in G. Holton and W. A. Blanpied, eds., Science and Its Public (Dordrecht: Reidel, 1976).

11.Robert G. Dunn, "Science, Technology and Bureaucratic Domination: Television and Ideology of Scientistm," Media, Culture and Society , 1(1979): 343-354.

12.Andrew Tudor, "Mad Science," pp. 133-157 in Monsters and Mad Scientists: A Cultural History of the Horror Movie (Oxford: Basil Blackwell, 1989).

13.Kenji Ito, "Robots, A-Bombs, and War: Cultural Meanings of Science and Technology in Japan around WII"

14.Conclusion